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前項で取り上げたTranquilityのCD帯に
「西海岸ロックとビートルズ直系の英国ポップのブレンド」
という謳い文句が書かれていましたが
メロディアス=ビートルズ系というのも
ちょっと短絡的な感が。
「ビートルズ直系」で一般的に思い浮かぶのは
デビューの経緯なども含め
まずはBad Fingerあたりでしょうか。
あるいはメンバーの詳細を伏せて
CapitolからデビューしたKLAATU。
当時ビートルズの覆面バンドと話題になりました。
このへんはBEATLESのDNAとして別の機会に。

で今回のStackridgeです。
前置きからの流れでも分かるように
BEATLESの遺伝子を感じさせるのですが
メロやフレーズが似ているようなレベルの
表層的な近似値ではなく
何より特筆されるのはセンスの良さ。
まさに「The英国」という音です。
今回この項を書くのにバイオなど参考にしようと
ネットで少し検索してみて初めて知ったのですが
プログレとして分類されているケースが多くて
ビックリしました。
自分の中では典型的英国ポップバンドだったので。
でもまあムーディブルースやBJHも
プログレになってるわけだしなあ(笑)

70年代に5枚アルバムをリリースして解散。
解散後、メンバーのJ.ウォーレンとA.デイヴィスは
Korgisを結成してそこそこヒットもしました。
その後再結成で活動再開したものの2015年に正式に解散。
この年日本にも来てライブやったらしいんですが
知らなかった・・・残念。


これは1stの1曲目。いやもう大好きです。
WINGSよりもBEATLESっぽい^^
因みにアルバムジャケがヒプノシスというのを
今回バイオ検索して初めて知りました。
ちょっと意外。

オリジナルアルバム、特に最初の3枚は
どれも好きなんですが
どれか1枚というと個人的には2ndでしょうか。
こちらはアルバムラストの曲。

あー、確かに後半とかメロトロンにフルート
・・・初期クリムゾンに被るとこあるかも。
テンポアップしてヴァイオリンが絡むところは
後期クリムゾンのDavid Crossというより
CARAVANのJ.Richardsonの方に近い感触。
ただフェードアウトが惜しいんですよね。

一般的に最高傑作と呼ばれているのが3rd。
なんとGeorge Martinがプロデュースしてます。

Paulっぽいベースランニングにコーラス、
メロはPaulよりちょいJohn寄り?
てか無理やりBEATLESを持ち出さなくてもいいかw
でもこういう曲(↓)を聴くとどうしてもPaulが浮かびますね。


おまけで。
再結成後のアルバムは聴いてなかったんですが
今回の検索でこんなタイトルの曲を見つけました。
Something About The Beatles
前述のKorgis(こちらも再結成時)でも
同曲をリリースしており
wikiによると彼らがJohnの影響を正式に認めた曲だとか。
KorgisのPVがいかにもなのでここではそちらのver.を。

JohnがBEATLES時代に
「自分たちの音楽なんてパクリだらけだ」
的な発言をしたらしいですが、あれは
「君たちのオリジナル曲は素晴らしい!」と言われるのに辟易して
「オレ達だって全てを無から生み出したわけじゃないよ」
という意図から自嘲的に「パクリ」と言ったのではないかと。
(過去の自分の「教えてGoo」回答より引用)
このStackridgeも同様で
やたらBEATLESからの影響を指摘されるので
はいはい分かりましたよ的な意味合いを感じます。
このへんも英国人って感じだなあ(笑)
2024/01/03(水) 13:13 music PERMALINK COM(0)
6月から月1ペースでなんとか続けてきましたが
11月サボってしまいました。
だからと言ってあくまで自己満足のための
音楽ブログですし
待ってる人がいるわけでもないので
これからも気の向くままに(笑)

で、今回のTranquility。
昔、Britishのフォークロックで
何か良さげなものが無いか探していて
MARQUEEの「ブリティッシュロック集成」に
載っていたバンドです。
後日Caravanに加入するJohn G Perryも
一時期在籍していたとか。
当時はサブスク配信なども無く
YouTubeで検索して聴いてみました。
1972年リリースの1stアルバムより
1曲目Try Again。これは名曲。


ただ2曲目以降は今一つな印象で
どこが自分にダメだったのか考えてみましたが
・CSN風コーラス
・無理のある曲展開(一部)
・早いテンポの曲がバタバタしてる(2ndでより顕著)
ってあたりが原因だったようです。
自分、音楽理論とかはさっぱりド素人なので
コーラスの和音を分析なんて出来ませんが
この高音コーラスのつけ方はちょっと苦手。
他にも

この曲とか序盤の叙情性はいいんですけど
中盤からフツーのミドルテンポポップになり
カントリーロック調ギターで終わっちゃいます。
長い曲ならまだしも3分半しかないのだから
曲調序盤のままでええやんとか思っちゃいました。
隠れた名盤とか言われているようですが
「隠れた」には隠れるだけの理由があるかなー
って感じです。
あ、でも重ねて言いますがTry Againは名曲^^
2023/12/13(水) 21:39 music PERMALINK COM(0)
同名でUKのバンドもいますが
こちらはUSのTHE SMOKE。
活動時期も'60年代後半で被っていて
いささか紛らわしいです。
35年ほど前にたまたまレコードを入手、
その時は全く知らないバンドだったので
ほぼジャケ買いという感じでした。
イラストがサイケ時代のBEATLES風。
当たればラッキーくらいの気持でしたが
これが大当たり。

キャッチーな1曲目でアルバムは幕を開けます

マイナーメロのソフトサイケ!

BEATLESとは違うけどこれはこれで良い
・・・と思っていたら3曲目が
Lucy in the Sky~っぽい(笑)

ペパーと同じくA面3曲目というのが確信犯?

他にもアルバム全編佳曲揃い

マイナーメロ好きにはたまりません。

'68年にリリースされたこのTHE SMOKE、
実はバンドというよりMichael Lloydの
ソロプロジェクトというのが実態。
楽器もほぼ自分1人で演ったとか。
Michael Lloydはミュージシャンというより
プロデューサーとして知られている人で
70年代はダニー・オズモンドや
レイフ・ギャレット、デビー・ブーンなど
主にアイドル系をプロデュース。
80年代では映画Dirty Dancingのサントラなどを
手掛けていたようです。
あとピンクレディーのUSデビューや
Go-Go'sのベリンダの1stソロもこの人。

SMOKEの前年にはOCTOBER COUNTRYというバンドを
プロデュース。
てかアルバム全曲Lloydの曲なので
こちらも彼のソロプロジェクトに
OCTOBER COUNTRYを起用したという感じです。
このアルバムとSMOKE両方に収録されているのが
バンド名そのままのタイトル曲。
OCTOBER COUNTRY版もVo.以外はほぼ一緒なので
やはりここでは耳に馴染みのあるSMOKE版を。

因みにSMOKEの1曲目Cowboys and Indiansも
OCTOBER COUNTRYのアルバムに収録されてますw

OCTOBER COUNTRYはサイケというより
フォークという趣きが強いですが
曲がLloydなのでやはり気持ちのいい音です。

曲の終わりのオケがどこか歌謡曲っぽいですね^^
2023/10/22(日) 13:44 music PERMALINK COM(0)
すっかり月刊ペースとなりました(笑)
今回は自分の最も好きな日本のバンドです。

四人囃子。
初めて名前を聞く人はふざけたバンド名と
思うかもしれませんが
前身のトリオで活動していた時は
ザ・サンニンという名前だったそうで
まあそれに比べればまだ洒落は効いてるかと。

最初にリリースしたのは
高野悦子の手記「二十歳の原点」を映画化した
そのサントラ盤。
これは後に自由にアルバムを制作する条件として
バーターで制作させられたもので
レコーディングも数日で終わったらしいです。

そして実質的な1stアルバムとしてリリースされたのが
「一触即発」
自分の中ではこれを超える日本のロックアルバムは
後にも先にも存在しません。
1曲目の短いイントロ曲が終わり
坂下さんのKeyから始まる「空と雲」。
いやもう大好きです、この乾いた空気感。
侘び寂びJapanese Rockとでもいう趣きです。


で、彼らを評してよく言われるのが
FLOYD系のプログレバンドという表現。
いやいや、どうしてそうなるんでしょ。
例えばアマチュアの頃にFLOYDのEchoesを
ライブで完璧にコピーしていたとか
岡井さんがFLOYD好きだったとかいう話はありますが
このアルバムでFLOYDの影を感じるのは
タイトルトラックで森園さんがBreathe的
アップストロークのフレーズを弾いている程度では?
冒頭パートがOne of These Daysとかいう
いかにもな指摘も見かけますが
森園さん曰くあれはAllmanのWhipping Postらしいです。
いや、パクリじゃなくて(笑)
てか、音的にはかなりHR寄りではなかろうかと。
実際アルバムリリース直前に
音楽専科の'74年6月号で取り上げられていた記事では
彼らのライブを評して
「Deep Purple並みのハードなサウンド」とか
書かれていたくらいです。
確かにザ・サンニンがkeyの坂下さんを入れたのも
Purpleみたいな曲を演るのに必要という
理由だったようですし。
後に当時のライブ音源とか聴くとアルバムver.は
荒っぽさが無い分まとまりがいいとも言えますが
それでもやはりこれは名曲。


この「一触即発」がリリースされたのは'74年。
Music Lifeの目玉企画だった人気投票で
なんとBest Musician of the Year1位!
国内グループ部門とBest Album部門が2位でした。
おいおい、ただのミーハーじゃないな、ML読者(笑)

その後CBSソニーに移籍して作ったアルバム
「Golden Picnics」(以降GPと略)は
バックが大手という事もあり
かなりお金と時間をかけて作られましたが
「一触即発」が水墨画だとすると
GPはカラフルなポスター画という感じ。
ここでまた話を蒸し返すようですが
FLOYDはこんなテクニカルな曲やらないでしょ。
どうせならリコーダーと変拍子で
Gentle Giant?くらいな事を言ってもらいたい(笑)


このGPを最高傑作とする人もいるようですが
自分は前作の枯れた味わいの方を推します。
因みに初期からのレパートリーだった
「ネッシー」の曲構成には
ちょっとばかり原子心母の影を感じます^^;
そしてB面ラストの「Lady Violetta」
まるっきりフュージョンですね。
いや、別に嫌いなわけじゃないですけど
これはもう四人囃子じゃないなーと。


で、案の定 森園さんは脱退してこの路線に進みます。
実際にはドラッグが脱退の要因だったとも聞きますが。
脱退後はPRISMに加入。
これはPRISM時代の曲をセルフカバーしたものですが
かなり気持ちいい曲です。


さて森園さん脱退後は後任に佐藤ミツルさんを加え
アルバムを3枚出して活動休止します。
てっきり解散だと思っていたのですが
なんと'89年に岡井坂下佐久間の3人でアルバムを発表。
アルバムでは佐久間さんがギターを弾いていましたが
更には森園さん佐藤さんを加えてライブを敢行。
このライブ、もちろん行きました。
まさか生で見る機会があるなんて思いもしなかった
四人囃子のライブです。
しかも森園・佐藤のWギターで聴く「一触即発」。
もう会場でイントロ聴いた瞬間鼻血が出そうでしたw
この時のライブは映像化もされていて
これを見て印象的なのが森園さんが妙に小ぎれい(笑)
あー、フュージョンギタリストだなあと。
でも凄い楽しそうに演奏してるんですよね。


その後、'93年に目黒公会堂で行われたイベントに
なんとベースが中村さんのオリジナルラインアップで
出演するというので見に行きました。
確かSteely Danの「リキの電話番号」とかカバーで
演ってた覚えがあります。
これはこれで貴重なライブでした。
あと歌詞を提供していた末松さんも登壇したような。
これは'89年の時だったかもしれません^^;
この歳になるとホント記憶があやふやで・・・

その中村さんも2011年に亡くなり
その3年後には同じくベースの佐久間さん、
そして去年は坂下さんまで鬼籍に入ってしまいました。
確か中村さん佐久間さんは自分より8歳上だから
60そこそこで亡くなってしまったわけで
・・・早過ぎます。
Crimsonもそうですがベーシストって早逝する傾向が
あるんだろうか。
とりわけ中村さんのベースは腰があって大好きでした。
改めてお三方のご冥福をお祈り申し上げます。
2023/09/22(金) 22:48 music PERMALINK COM(0)
今回はDead Daisiesに続き
今年来日するバンドを。
Tedeschi Trucks Bandです。

元々は別々のバンドだった
Susan Tedeschi Bandと
Derek Trucks Bandのリーダー同士が結婚して
結成したバンド。
世界一ギターの上手い夫婦という異名も(笑)
グラミーで最優秀ブルース・アルバム賞を
獲得したこともありブルースロックバンドと
されることも多いようですが
音はサザンロックあるいはスワンプという感じ。

1stアルバム収録のこの曲(名曲!)とか
前半のSusanのVo.と
後半のDerekのスライドギター、
曲構成もいい感じです。

また最新アルバム収録のこの曲は
Allman Brothersっぽいです。

てかDerek Trucksは叔父がAllmanのドラマーで
20歳の頃には本人もAllmanに加入してるので
音がそうなるのも当然と言えば当然ですね。

かと思えばジミヘンか!?と思うような
こんなギターも。


他にもDerek Trucksの名前の由来が
Derek and the Dominosからとか
Laylaの元ネタの物語から
アルバム4部作を作ったとか
Claptonとの共演とか
いろいろネタはあるので
後日追記するかもですが今回はこんなところで^^;
2023/08/27(日) 18:17 music PERMALINK COM(0)
今回は前に書いた時に
>ハードロックというには微妙なアルバム
と表現したCaptain Beyondの2ndについて。

確かに最初に聴いた時は中途半端な印象でしたが
おそらくそれは「ハードロック」を期待して聴いた
こちら側の問題も少なからずあるかなと。
で、改めて先日サブスクで2ndを聴いてみました。
いや、これは悪くないんじゃなかろうか。

まず、アコギから始まるOPナンバー。

先入観ナシで聴くと思いの外気持ちいい音です。

で2曲目。
70年代後半にSANTANAが演ってたようなラテンロック。

Captain Beyondがリリースした'73年の頃は
SANTANAはここまでポップではなかったですけどね。

4曲目はイントロのGが初期YES、というかFlash。

アレンジ次第ではHRになるような素材ですが
パーカッションで再びラテンロック路線へ。
DrがBobbyだったらバリバリHRになりそう(笑)

5曲目はバラード。

メロがどことなくPurpleのSoldier of Fortuneっぽい。
でもこれもこっちが先ですw

アルバムラストの8曲目。

前半はまたゆる~いラテンロック。
後半ようやくHRの片鱗を見せてくれますが
あと一押しという感じで終わります。

というわけで作りようによっては十分HRになりえる曲が
実は多かったように思います。
曲はBのLeeのみのクレジットになってましたが
実は契約の関係上でそうなっただけで
実際の作曲者はRodとLarry、Leeの3人だったようです。
この後Rodが抜けてBobbyが戻ってきた3rdは
(出来はともかく)HRだったわけですから
やはり2ndをこんな仕上がりにした戦犯は
Rodなんだろうなあ。
新たに書いた1曲目のような路線のアルバムにしようと
既に書き溜められていた曲を
あえて軽いアレンジにした結果なのでは?
とか勘ぐっちゃいました。
この後にやらかす偽Purple事件といい、
才能はあるのに残念な人で終わってしまったのは
ホントに惜しまれます。
2023/07/26(水) 22:25 music PERMALINK COM(0)
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