プログレというと70年代中盤までが全盛期なのは確かで
MalillionやPendragon、PallasやIQ、といった
80年代に入って出てきたいわゆるPomp Rockは
先達(とりわけGenesis)の不出来なエピゴーネンという印象でしたが
90年代以降になってまた面白いバンドを見かけるようになりました。
最初に見直すきっかけとなったのは
プログレ本場であるイギリスではなくスウェーデンのAnekdotenです。
よく引き合いに出されるCrimsonとは確かに音的に近いですが
各楽器の緻密さはやはり本家に及ばず
ちょっと雑なクリムゾンという感じでしょうか。
ただ同時期に活動を再開してリリースされた本家のVrooomなんかよりは
こちらの方が断然好き(笑)
この曲なんかクレジットがFripp-McDonaldだったと言われても
納得してしまうような枯れた味わいの佳曲です。

同じ頃やはりスウェーデンでAnglagardという
これまたクオリティの高いバンドも出現したりと
新しい北欧プログレが面白い!という時期でありました。

ただその後はあまり琴線に触れるようなバンドとは巡り合えず
目ぼしい収穫と言えば10年ほど前に見つけた
Moon Safari(これもスウェーデンw)くらいでした。
こちらは前述の2バンドとはまた全然別のタイプで
とにかく明るく前向きな音なんですが
メロディのセンスがめちゃくちゃ秀逸。
プログレから歪さと暗さ(これが本当は肝なんですが)を除去して
気持ちいい部分だけを抽出したような感じです。


で、ようやく今回の本題(笑)
テレワークのおかげで音楽を流しながら仕事ができる環境となり
サブスクでApple Musicを利用するようになったわけですが
手当たり次第に検索してみると名前も知らなかったバンドが
出るわ出るわ。
もちろん玉石混交なわけですが、結構な拾い物もあったりします。
例えばこちらはイタリアのバンドIl Tempio delle Clessidreが
2010年にリリースしたものですが
keyの音とか70年代を彷彿させながらもどこかモダンでもあり。
なんとVoがムゼオローゼンバッハの人というのも驚きでした。


他にもこれまたスウェーデンで、Anekdotenとかより早くから
活動していたのに名前すら知らなかったIsildurs Bane。
生の弦楽器の使い方が気持ちいいです。


こうして新しくても自分の肌に合う音のバンドがいたのは
嬉しい驚きでしたが
唯一残念だったのが本家イギリスでコレ!というバンドが
なかなか見つからなかった事。
そんな中、先日ようやく良さげなバンドに当たりました。
それが今回書こうと思ったきっかけとなったThieves' Kitchen。
2000年前後から活動しているイギリスのバンドです。

21分(笑)長い!
もうちょいコンパクトに出来そうな気もしますが
音が気持ちいいので許しちゃいますw
女性Voもいい感じでプログレ女性Voの代表格Annie Haslamとかより
好みの声質かも。

そんな感じで最近はまた新しいバンドの検索が
楽しみの一つになってきました。
YouTubeで探すより遥かに効率よく探せますし
ちゃんとお金(¥980/月)を払って聴いているという
安心感(?)もありホントにサブスクさまさまですw
2022/03/20(日) 13:54 music PERMALINK COM(0)
自分がRockを本格的に聴き始めたのは中2の頃。
当時の洋楽を専門に扱う雑誌といえば
まずはMUSIC LIFEの名前が挙がると思います。
最初に買ったのは意外と遅く中3の'74年12月号。
ML.jpg
Rock初心者だった自分としては
知らない海外のミュージシャンの写真や情報が載っているだけで
確かに刺激的ではあったものの
写真に付いているコメントなどには
素人ながらもどこか違和感を覚えていました。
ぶっちゃけて言うならば酷くミーハー(死語?)で
洋楽版明星・平凡(この例えが分かる人は年配w)という感も。
編集者が女性ばかりだったのもあるのかもしれませんが
そのノリはちょっと馴染めませんでした。
少し後の時代のエピソードになるのですが
BURRN!を立ち上げた酒井氏はMUSIC LIFE在籍時代、
某女性編集者が書いたRATTのアルバムレビューの中の
内容と関係ない「ウォーレンも元気だ」にキレたらしく
そのへんの気持ちはよくわかります(笑)

話を'70年代に戻しますが当時の洋楽雑誌といえば
他に身近なものでは音楽専科がありました。
こちらを初めて買ったのはMLより早く'73年の7月号でしたが
BEATLESの特集だったから単発で買っただけで
継続的に買い始めたのは高校に入ってからでした。
onsen.jpg
Crimsonの項でチラッと触れましたが
自分が中学の頃の音楽専科はMUSIC LIFEとは対照的に
お堅い洋楽雑誌というイメージでした。
オーディオ記事とかにも力を入れていた記憶があります。
70年代後半になると急に色モノ的なテイストが濃くなり
それはそれで楽しんで読んではいましたが
同時に迷走している印象も受けたのも事実です。
80年代に休刊になったようですが
ネット検索しても同社の他の雑誌については見つかるものの
大元の音楽専科に関してはほとんど情報がなかったのは
悲しいものがありました。

70年代後半にはrockin' onが台頭してきました。
72年にミニコミのような形でスタートしたroは
自分が最初に買った頃はまだ隔月刊でしたが、
それまでの音楽情報の発信を主としていた音楽雑誌とは異なる
独自のスタイルで人気を博しました。
ただ、当初は新鮮に思っていたそのスタンスも
どこか胡散臭さを感じるようになり結局途中で買わなくなりました。
ある種の音に対する「産業ロック」「ムードプログレ」などといった
渋谷陽一流の侮蔑的表現からも窺えるように
その背景に選民意識にも似た匂いを感じたのも要因の一つ。
それが読者層にも表れており
読者というより信者というイメージが強かったです。
高校の時プログレ好きな同級生でroにかぶれていた奴がおり
「音楽を聴く時はそのアーティストの意図している思考まで
 意識して聴かないと駄目だと思う」(ほぼ原述ママ)
などと宣っていたのには正直ゲッソリしました。
これは極端な例かもしれませんが
roとその周辺を取り巻く俗っぽさを嘲笑するような雰囲気は
我が身を振り返って音楽に対する姿勢を考え直すきっかけにも
なりました(笑)
結局のところ音楽というのは
その音が気持ちいから聴くのであって
何が気持ちいい音なのかというのも人それぞれなわけですから。
2022/03/10(木) 23:41 music PERMALINK COM(0)
BARKSを開いていきなり飛び込んできた衝撃のニュース。
Ian McDonaldが亡くなったそうです。
small-KC1969Marquee7.jpg

総括的にCrimsonのリーダーといえばFrippになるのでしょうが
こと宮殿に関して言うならばMcDonaldが中心だった事は
間違いないと思います。
そういう意味でも自分にとってIanは特別なミュージシャンでした。



Steve Hackett Bandや21st Century Schizoid Bandでの来日で
2度もライブを見られたのは本当に幸運でした。
特に21st Century~の時はリズム隊がGiles兄弟という事で
生McDonald and Gilesでしたからもう大感激。
割と前の方の席だったので目の前でMichaelのドラムにIanのフルート・・・
マジでチビリそうになりましたw
あとPeterがスタイリッシュでカッコよかった^^

(※見に行った東京公演のDVDも発売されているのですが
 アップされた映像が見つからなかったので同時期のカンタベリーでの映像を)
ソロでは初来日だったPaulの'90年ライブ、復活した四人囃子の'89年ライブと並ぶ
生涯忘れられないライブです。

先日、同じくBARKSでCrimsonのドキュメンタリーフィルムの制作記事を見て
どうせ大半は今のCrimsonなんだろうと思いつつも
IanやMichaelの姿もチラッと見えていたのでワクワクしていたのですが・・・

享年75歳。まだ早い。
心よりご冥福をお祈りします。
2022/02/11(金) 14:32 music PERMALINK COM(0)

ZNR

2020年の4月から現在に至るテレワーク生活にも
すっかり慣れてしまった今日この頃です。
そのテレワーク中に聴く音楽も
以前はサブスクでプレイリスト作って流していたのですが
最近はあまり耳に障らない音にしてます。
先日まではSatieを終日流したりしていましたが
ここ1週間ほどはZNRが程よく気持ち良くて使用中。

'76年にリリースされたHector ZazouとJoseph Racailleのデュオユニットのアルバムです。
バンド名は何かの頭文字なんだろうと思っていたのですが
メンバー2人の名前からなんですねw
Zazou N(and) Racaille・・・GunsのGNRと一緒かぁ(笑)
音的には同じフランス人という事もあるのか、電気仕掛けのサティという趣きも。
この曲とかそんな感じですね。

あと、意外なところでは実は「どうぶつの森」のBGMは
このへんをテキストにしてるのでは?と思わせるような感じの曲も。

自分、「どうぶつの森」はDS版しかやった事ないですが
最初にプレイした時に感じた、箱庭のような違う世界での日常感という
ちょっとだけシュールな感覚には合っているような気もします。
2022/01/22(土) 11:57 music PERMALINK COM(0)
2022年も明け早や半月。
限定公開のメインブログには年明け関連で
雑文をアップしたのですが遅ればせながらこちらの音楽ブログも。
メインの方に載せた2曲のうちの1曲です。

浜名湖花博用に制作された音源を集めた「Seventh Garden」収録曲です。
自分、基本的にメロディアスなものが好きなのですが
こういう音数と装飾の少ない音が時おり無性に聴きたくなります。

この清水靖晃というアーティストは
自分がWAVEにいた頃にCrammed DiscのMade to Measureシリーズから
リリースされた、CM曲を集めたアルバムで知ったのですが
お洒落な渋谷というロケもあってか結構売った記憶があります。

このアルバムはCM曲という事もあり耳ざわりのいい曲が多いのですが
他の作品はアヴァンギャルドだったり音響派、はたまた環境音楽やサントラという風に
多岐に渡り先鋭的な作品が多い印象です。
音的には坂本龍一と共通する部分もあるようにも感じますが
坂本よりテリトリーが広いように思います。
その2人が共演している動画があったのでおまけで。

2022/01/15(土) 12:35 music PERMALINK COM(0)
さて、今年もあと数時間で終わりですね。
限定公開でやっているメインブログでは
毎年の大晦日に1年の締めの曲をアップしているのですが
今年は音楽ブログを立ち上げたのでこちらで。

夢に出てきているのか起きた瞬間に浮かぶのかは定かではないのですが
朝 目が覚めた時に頭の中で曲が鳴っていることが結構な頻度であります。
で今朝はこちらでした。

Freeの代表作と呼ばれることの多い「Fire and Water」収録曲です。
自分が高校の時に初めて買ったFreeのLPでもあります。
尤もこの時は既に解散しておりPaul RodgersとSimon Kirkは
Bad Companyで活動中でした。

思うに「British Rock」と言われて先ず一番に浮かぶのが
自分はこのFreeなんですよね。
先に挙げたBad Companyも悪くはないのですが
アメリカ受けを狙ったコマーシャリズムも目に付くので
自分としては断然Free推しです。
うちの会社がまだ外資だった頃の飲み会で
イギリス人部長と「無人島へ持っていく1枚」の話をした時
自分は宮殿を挙げた(Good Choiceと言われましたw)のですが
彼はFreeのHighwayを挙げていたのが印象的でした。

では今年最後の音楽閑話もこのへんで。
良いお年を。
2021/12/31(金) 20:37 music PERMALINK COM(0)